来年来るもの。(前半戦)
いつも思うことは、本当は何かを作り出して世の中に出していく人になりたかった、とまぁしかしながら、ちょっとの可能性があるにせよ今の仕事ではなかなか難しそう。となると今の楽しみは人間が果たして何を考えて何を作り出していくのかを見ていく事なんだな、と思う。(というのは単なる物欲番長正当化かもしれないけど。)
そういうわけで技術ウォッチャーを決め込んでいる私としては多少そういうトピックも書いておきたいと思う。
でもね、ちょっと最近進化していない気がする。昔買った未来のなんとかって事典なのか絵本なのかよくわからない本にはこのようなPCの普及を予測したものはなく、ロボットの普及を予測するものばかりだった。携帯電話を予測したものも無いしね。こういう風に技術進化の方向性は昔から思われていたものと少々変わってきているのだけど、最近の動きを見ていると違っている、というのはちょっと違って進化が「停滞中」なのではないかと思う。
今はたとえばハードディスクにせよメモリーにせよCPUでもそうだけど、高密度実装を行うことで容量やスピードを高めるという時代。LANの世界もあまり技術が20年前から極端に変わったわけでなく時間*距離あたりの情報通信コストがこの10年間で極端に下がった時代。ものすごくスピードアップを実感する世の中ですが実は技術進化的には停滞期ということなのかもしれません。ましてやインテルのVIIVだとかあんなものは新技術ですらありません。
さてさて、とはいうものの、技術が実用化されること自体は、我々一般市民からすれば進歩なんでしょう。そういう意味でも来年あたりから本格的に普及して面白そうな技術予想をしてみましょう。
1.PASMO
PASMO知ってますか?PASNET MOREだったかな?ともかく来年3月からサービスが開始されるという私鉄都営の電車地下鉄バス共通で使えるSUICAもどきの事です。そもそもバスにはバス共通カード、私鉄にはパスネットカードってのがありましたが、私鉄がパスネット導入を決めたときJRにも声をかけたが、JRはすでにSUICAの研究に入っている為、拒否したそうですな。それで私鉄でしか使えないパスネットと一時のイオカードに別れ、これが最終的にパスネットとSUICAになってしまったということらしい。蓋を開けてみるとSUICAの評判はなかなか良く、財布に入れたままでも使えるということで、(他にも理由があるようだが)PASNET陣営もSuicaの技術を取り込んだPASMOを作ることに決めたようですね。
Suicaの最大のメリットといえば、Felicaによる非接触通信ということで、カードを機械の中を通すような仕組みでないことから、カード型のようなモータを山のように搭載した機構が必要でなく、また良く発生する故障を最小限に抑えることが出来ることからメンテナンスコストを圧倒的に下げることが出来るというふうに言われております。弱点は同じFelicaが2枚もてないこと。下手すると2枚重ねてではエラーになってしまうことがあります。
そんなことで、PASMOとSuicaはほぼ同じ技術をJRから供与を受けて開発されるうえ、SuicaとPASMOは最初から相互乗り入れ可能となるとか。(ただしSuicaユーザーは当面私鉄の定期が変えないようだ)

これが全てのカードではあるまいが、こんなデザインも決まった。
そしてサービス開始は来年の春ぐらいである。それが為、今東京近郊の地下鉄にはタッチアンドゴーが出来るようなちょっと盛り上がった機械がお出ましするとともに、その中のメッセージはまるでJRの配色である、白地に緑の模様。技術供与そころかJRのソフトウエア全部持ってきたのではないの?という感じ。ながら着々と準備が進んできた。
そうこういううちに今度はバスにもそんな機械がついた。
バスの定期ってバカ高いからねえ。最近は毎日歩いていたので余計に無駄になっている。その上、小銭を必ず用意しなくてはならないという状況。これを考えるとパスネットみたいなバス共通カードのFelica版であるPASMOの効果は大きい。
ところでSuicaのシステムはレスポンスに非常にシビアである。お客さんがタッチしてから改札をあけるまでに0.5秒以下といわれている。この時間に通信と内容のチェックと使用履歴と定期でない場合は減算処理を一緒にやる事が必要で、同じFelicaサービスのEdyなんかに比べると恐ろしく要求されるレスポンスタイムが短い。(Edyは最悪PHSで通信する速度が出せればよく、最大1秒以上処理にかかっても良いらしい。)
このあたりの事情はPASMOも同じであろう。ただその私鉄もJRほど金を出し続けられるものかわからないため、果たして維持できるのか気になるところ。
ともかく、1枚のカードで関東は、ということではあるが、ニューヨークやロンドンのようになんでも乗れるようになる。(最後はタクシーも対応するかもしれないとのこと。)モバイルにも対応すれば、携帯でどこまでも行けるということだ。社会システムとして普及が進むETCと共にちょっと我々の生活を変えてくれそうなサービスであるといえる。
2.UWB
UWBとはUltra Wide Bandの略で広義の「超広帯域通信」の略だが、その一方で狭義にはIEEE802.15.3aに基づくWireless USBの事を指すこともある。実は本件は後者を言いたい。実はUWBの仕様は昨年策定がすみ、製品が出るのを待つばかりであったが、なかなかその様子はなかった。ここへきてYEDataが無線USB製品をなんとも3万円という、高価な値段で出してきた。最初はしょうがないと思うが、3万円を良く出して買うやつがいるもんだ。
ところで似たような企画にBluetoothがある。BluetoothについてもUWBについても10メートル圏内ぐらいの距離で接続する。最高速度はうそか本当か480Mの通信が出来るというので、あまり電力を食わないという。低速通信専用に作られたBluetoothよりも用途は広い。速度も速いので、もしかしたらBluetoothの領域を覆いかぶしてしまう可能性がある。以前は無線LANとの役割分担が問題となっていたが無線USBとは明らかにぶつかるだろう。
一般の使用用途を考えてみよう。例えばUSB接続のハードディスク。USBリモコン・USBキーボード、果てはUSBマルチメディアプレイヤー。なんでもである。またセキュリティーどうするのとか、そこらへんが気になるが。もしかすると2,3年たつと周辺機器というものは全て無線接続するのが当たり前になってくるかもしれない。問題はこういう機器には電源が全て必要になることと、いわゆるお互いの認証方法である。bluetoothがなかなか普及しなかったのはペアリングの難しさにあるともいわれている。こういった点をどう解決してくれるのか、楽しみである。
3.PLC
電灯線高速通信の規格がそろそろ確定し、うまくすれば来年から製品が出る。電灯線での高速通信は無線LANともうひとつのLAN線を用いない家庭内LANの双璧になる可能性を秘めている。おそらく会社では使えない可能性が高い。
まず少なくともPDUからLANにつながらないという最大の欠点がある。家庭でも問題だと思うがともかくも通信アダプターは家庭のコンセントを最低2つは消費してしまう。その上、無線ほども最終的なスピードが出ないようだ。しかし、これが安定的に高速化すると思われるのは来年後半となるであろう。
LAN線の問題は企業では最近一人にひとつが常識になっているが、座席の移動でケーブルがなくなったりいまだにいろいろと問題があがっている。おまけにLAN工事って結構なコストである。一方で無線はやはりセキュリティーの問題がある。ここなんとかなるととてもおいしいのだけど。
一応TEPCOはPLCの機器とサービスを開始したようだ。
ところでPLCはアマチュア無線家の顰蹙を買っているらしい。全てのということなのかどうなのか良くわからないが、ともかく短波・中波あたりにひどいノイズが載るらしい。アマチュア無線家には大変失礼ながら、我々にはアマチュア無線は関係ない。PLCの普及のほうが望ましいな。その趣味の良し悪しを言うつもりはないが、アマチュア無線って趣味は昔より大分人口減ってきたのではないかと思う。だからいいってもんでもないかもしれないが、アマチュア無線の世界に許されていた全ての電波がそのままで良いのか?とも思う。既得権の主張は必要だろうけど、新しい技術のためには電波の割り当てが不足している今日この頃なのだ。なんとかアマチュア無線側も進化して、うまく共存できないものなのかと思う。
前半はもうちょっとある気分なんだがこんなところにしておきましょう。

